ボンド線の取り付けは、一見単純に見えても、正確性が求められる技術です。特に第二種電気工事士試験や実務においては、適切な手順を守ることが安全性と評価に直結します。ここでは、初心者でもわかりやすいように、取り付けの流れを段階的に整理し、注意点とともに紹介します。
施工の手順は、基本的に以下の5つのステップで構成されます。
1 材料の準備と長さ調整
2 被覆の適切な剥離処理
3 取付対象の確認と清掃
4 ねじ固定または圧着作業
5 導通確認と絶縁処理
それぞれの工程を詳しく見ていきます。
まず、使用するボンド線の長さは、施工対象の距離に余裕をもって対応できるように設定します。たとえばアウトレットボックス間に接続する場合、直線距離に加えて10センチ程度の余長を加えると、施工性が高まります。
次に行うのが被覆剥離です。銅線の導通部分がしっかりと露出していることが重要であり、一般的には約10ミリ程度の剥離が推奨されます。剥離しすぎると他の導体との接触リスクが高まり、逆に短すぎると接触面積不足で導通不良の原因になります。
取付対象が金属ボックスや金属管であることを確認したら、ねじ止め部分や接続端子の清掃を行います。金属酸化やほこりが付着していると、導通性が著しく低下するため、軽く布で拭き取るなどの処理を行ってください。
取り付け時には、ボンド線の端部を確実に固定することが必要です。ねじを締める際には過剰な力をかけず、緩みがない範囲でしっかりと締め付けることがポイントです。撚り線を使用する場合には圧着端子を活用することで、接続の安定性が高まります。
最後に、テスターを使って導通確認を行います。取付けたボンド線が正しく電気的に接続されていることが確認できたら、必要に応じて絶縁テープで保護し、作業は完了です。
ボンド線取り付けの基本作業工程と注意点
手順
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内容
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注意点
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1
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長さ調整とカット
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余長を持たせ、配線に無理のない範囲で設定
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2
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被覆剥離
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10ミリ前後、導体部分に傷をつけないこと
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3
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接続面の確認と清掃
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酸化や異物の除去で導通不良を防止
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4
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ねじ固定または圧着処理
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緩みがないよう適切に締める、圧着端子は適正選定
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5
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テスター導通確認と絶縁処理
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正常導通が確認された後、絶縁で安全性確保
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取り付け工程を一つひとつ確実に行うことで、技能試験でも高評価を得られるほか、実務でも安全で信頼性の高い配線施工が可能になります。作業後に不具合が見つかることのないよう、丁寧な確認作業と記録の保存を心がけることが望まれます。
初心者の方であっても、このように工程を段階的に確認しながら進めることで、ボンド線の施工ミスは大幅に減らせます。安全かつ確実な作業を習得するためには、繰り返し練習しながら、標準的な作業スタイルを体に覚えさせることが重要です。正しい手順と丁寧な施工こそが、信頼される電気工事士への第一歩と言えるでしょう。