電気工事士ワッペンを実際に取り付けたあと、時間の経過とともにズレたり、端が浮いてきたりするケースは少なくありません。とくに屋外での工事作業や、高頻度での洗濯を想定する場合は、取り付け時に「耐久性を高める工夫」が欠かせません。ここでは、ワッペンをズレにくくし、長持ちさせるための具体的な対策を紹介します。
まず前提として、取り付け時の位置決めは極めて重要です。ワッペンの上下左右を正しく合わせるためには、あらかじめチャコペンや洗濯で落ちるペンでガイドラインを引いておくとよいでしょう。ワッペンのサイズが90mm×40mmのように大きめの場合は、少しでも傾いていると見た目が悪くなってしまうため注意が必要です。
アイロン接着の場合は、接着力を高めるために「あて布」を使用しながら、140〜160度の中温でしっかりと10〜15秒間プレスします。その後、熱が完全に冷めるまで動かさずに放置し、粘着剤が固まるまで触れないようにします。また、裏側からも当て布をしてアイロンをかけると、さらに接着力が向上します。
縫い付けタイプの場合は、糸の種類にもこだわりたいところです。屋外使用や洗濯を頻繁に行う場合には、ポリエステル製の強化糸や撥水糸を使用すると、ほつれや変形が起きにくくなります。また、糸の色はワッペンに馴染む色を選ぶと見た目にも美しく仕上がります。
マジックテープを使う場合は、ワッペンの裏側だけでなく、取り付け対象面(ユニフォームなど)にもフラットでしっかりした面を確保する必要があります。粘着面が布の凹凸に負けてしまうと、固定力が大きく損なわれてしまうため、縫い込み+マジックテープの併用も選択肢となります。
さらに、長持ちさせるためには、以下のような対策も有効です。
・洗濯ネットを使用して洗濯時の摩擦を減らす
・乾燥機の使用を避け、自然乾燥を徹底する
・接着剤の劣化を防ぐために高温保管を避ける
取り付け後のメンテナンスも含めて、以下のような耐久性を意識したチェックリストを活用することで、トラブルを未然に防ぐことが可能です。
項目 |
推奨アクション |
アイロン温度 |
140~160度の中温で設定 |
圧着時間 |
最低10秒以上、裏表両面で実施 |
糸の種類 |
撥水性・強化ポリエステル糸が望ましい |
洗濯対策 |
ネット使用+自然乾燥 |
予備ワッペン |
1セット多めに注文しておくと安心 |
このように、取り付け方法の工夫と使用後の適切なメンテナンスを行うことで、電気工事士ワッペンは長期間にわたり安全かつ美しい状態を保ち続けることができます。