電気工事士の資格には第1種電気工事士と第2種電気工事士の2種類があり、それぞれに異なる役割や範囲が定められています。新卒で電気工事士を目指す際には、この違いを理解して適切なキャリア選択を行うことが重要です。どちらの資格も国家資格であり、電気工事の業務に従事するためには必須です。資格の取得方法や、その後のキャリアにおける有利な点を整理してみましょう。
第1種電気工事士と第2種電気工事士の主な違いは、取り扱える電気工事の範囲にあります。第2種電気工事士は、一般家庭や小規模な建物で使用される600ボルト以下の電圧設備に関する工事が行えます。新卒者が最初に目指すべき資格として、第2種電気工事士は最適です。この資格を取得することで、住宅や小規模施設の配線工事や電気設備の設置、修理を行うことが可能になります。資格試験は学科試験と実技試験の2つで構成されており、学科試験では電気に関する基礎知識や配線図の読み方などが問われます。実技試験では、配線の接続や機器の取付けといった作業が出題され、実際の現場で必要とされる技術を試されます。
一方、第1種電気工事士は、さらに高度な資格であり、ビルや工場などの大規模な建物における高電圧設備(最大7,000ボルトまで)を扱う工事が可能です。第1種電気工事士は、ある程度の実務経験が必要となるため、新卒でいきなりこの資格を取得するのは難しいですが、第2種を取得し、現場経験を積んだ後に挑戦することが一般的です。第1種の資格を持つことで、大規模なプロジェクトの責任者としての役割を担うことができ、キャリアアップの道が広がります。第1種電気工事士の資格試験も学科と実技に分かれており、第2種と同様に基礎的な電気知識に加え、大規模設備の設置や保守に関する深い理解が求められます。